これから貨物自動車運送事業を始めようとお考えの方へ
他人の求めに応じて貨物を自動車で運送することを有償で行うことを業とする事業を
貨物自動車運送事業と言います。
簡単に言うと、他人の荷物を有料で運ぶ仕事のことです。
大きく分けると、
一般貨物自動車運送事業、特定貨物自動車運送事業、貨物軽自動車運送事業の
3つに分類されます。順に解説していきます。
1,一般貨物自動車運送事業
以下のように3つのパターンがあります。
あなたがしてみたい事業はどのパターンに当てはまると思いますか?
(1)一般貨物自動車運送事業
一般貨物自動車運送事業(以下、一般貨物運送事業といいます)は、文字通り
「一般貨物」を運ぶ事業を言います。
ここで「一般」とは、「不特定多数の」という意味で、荷主は特定の人ではないと
いうことになります。
「この人だけの貨物を運ぶ」として限定した運送事業の場合は
「特定貨物自動車運送事業」といいます(後ほど解説)。
とはいえ実際には「一般」としながらもほぼ貸し切りの状態で輸送する場合もあり、
また、同時に他の荷主の貨物も混載して輸送する場合もありと、色々です。
(2)特別積合せ貨物運送
不特定多数のお客さんから集めた貨物を、起点となる営業所や荷捌場にて仕分けして、
終点となる営業所や荷捌場へ輸送し、その後、仕分けを行って配達をする事業のことで、
営業所等〜営業所等への輸送を定期的に運送するものです。これら一連のことを全て自ら行うものとされています。
不特定多数のお客さんから荷物を集めて輸送する形態は、一般貨物運送事業と
同じですが、違いは集荷された貨物を定期輸送するかどうかです。
定期輸送するものは「特別積合せ」そうでない場合は「一般積合せ」です。
イメージは下図のようになります。
(3)貨物自動車利用運送
自らは運送せず、運送事業者が行う運送を利用して運送事業を行うものです。
荷主と運送事業者の間に入って運送事業を営む事業形態です。

ここがポイント!
あくまでも「他人の貨物」を有償で実運送事業者に運ばせるものなので、自分の貨物を実運送事業者に運ばせるものや、他人の貨物であっても無償で運送させる場合は貨物自動車利用運送事業にはなりません。
2,特定貨物自動車運送事業
特定貨物自動車運送事業(以下、特定貨物運送事業といいます)は、決まった荷主の
貨物だけを有償で自動車を利用して運送する事業を言います。
例えば、あるメーカーで作った製品の運送などです。
荷主の自社製品の運送を専属して代行するもので、トラックの車体に荷主の企業名などを
ペイントしているものなどはこれに該当する場合が多く見受けられます。

ここがポイント!
不特定多数の荷主を対象としていないため、一般貨物運送事業に求められる規制の一部は免除に
なります。
例えば、他の荷主との公正を図るための規制である「運送約款の認可」を受ける必要が無くなる
などです。
自動車を利用して運送する事業を言います。
例えば、あるメーカーで 作った製品の運送などです。荷主の自社製品の運送を専属して代行するもので、
トラックの車体に荷主の企業名などをペイントしているものなどはこれに該当する場合が多く見受けられます。
3,貨物軽自動車運送事業
貨物軽自動車運送事業(以下、貨物軽自動車運送事業といいます)は、
軽自動車または二輪の自動車を使用して、不特定多数の荷主の貨物を有償で運送する事業をいいます。
軽トラックを使い運送する会社やバイク便などが挙げられます。
この事業は「許可制」ではなく「届出制」とされています(貨物自動車運送事業法第36条)。
以上のように、貨物自動車運送事業といっても様々な種類の形態があり、
中には「貨物自動車利用運送事業」のように、自らトラックを所有せずとも運送事業を
経営することが出来るものもあります。
どういった事業を展開して行きたいのか等、いろんな角度から検討してお決めになるといいでしょう。
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